テーラーの皆様へ

近年、スーツは、安価な中国縫製の既製服や、オーダーメイドスーツと言っても手軽なイージーオーダーが主流になってきました。そのため、昔ながらの技術を用いたハンドメイドスーツがあまり評価されず、我々にとっては辛い時代となっています。

なぜこのような時代になってしまったのでしょうか?

また、この傾向はこれからも続くのでしょうか?

この状況を打開する方法はあるのでしょうか?

このような疑問や不安に対して、当社では次のように考えた上で、対処を行っています。

当社の考えにご賛同いただける方は、是非一緒に仕事をしましょう。

■ フルオーダーのデザインは古いのでしょうか? ■

あるテーラーさんが調査したところによると、現代においてフルオーダーのスーツが敬遠される1番の理由は『デザインの古さ』(もしくはそのようなイメージ)、2番目は『価格の高さ』だそうです。

 

このような調査結果になったのは、やはり縫製技術に甘えて、デザインの流行を軽視していたからではないでしょうか?

これは、百貨店オーダーサロンでも個人事業主のテーラーでも同じだと思います。

 

かねてより百貨店オーダーサロンからの注文が主であった当社でも、同じ問題が生じていました。

そこで、平成17年、当社においてはインターネットオーダースーツ販売店と業務提携し、最先端のトレンドのデザインをとり入れることに努め、この問題の解決に成功しました。

 

左側の画像は、某百貨店オーダーサロンのリピーターのお客様のスーツ。お客様は67歳の上場企業オーナー社長です。

素材は英を代表するブランドテーラー&ロッジになります。

 

右側の画像は、インターネットオーダースーツ店からの依頼で仕立てたスーツ。お客様は35歳、某新興企業のマネージャーの方です。

素材はエルメネジルド ゼニア。トレンド性を持たせたシルエットに、高度な技術のディテールを組み込むことにより、同じ工場で仕立てているとは思えないような仕上がりになりました。

 

スーツのデザインに変化を加えれば、若年層の顧客に訴えかけることも可能です。

特に、後継者のいるテーラー様にとっては、若いお客様へ十分アピールできるデザインで顧客の若返りを図ることは、大きなメリットになります。

■ 後 継 者 難 ■

服飾職人は、「団塊の世代が最後の生き残り」と言われ、その世代の職人達の子息はなかなかこの業界に残りません。

仮に業界に残っても、技術の習得にかける時間が十分ではなく、父親はフルオーダー職人なのに、息子はイージーオーダーというケースが多くなってきています。

このままの状態が続くと、日本の伝統技術はやがて廃れてしまうでしょう。

 

また、価格の安い中国縫製は技術躍進も早く、中途半端なオーダースーツでは勝ち残ることができません。

皆さんの大切な技術や顧客基盤をどうにかして後世に残す方法を考える必要があります。

そのために、フルオーダーの良さを維持しながら、次世代のテーラーを支えるしくみを作らなければなりません。

 

当社は、後継者の育成に励むと同時に、後継者の方にとって魅力のある仕事をしていきます。

 ■ 下職不足・高齢化の問題 ■

現在、ハンドメイドのラインをお持ちのテーラーさんは、縫子さん等下職さんの管理でお困りではないでしょうか?

下職さんの高齢化や職出し数量の減少により売上が減少し、下職の廃業に伴なってハンドメイドラインも廃業せざるを得なくなったなど、非常に残念なケースも見られます。

  • 下職の急な体調不良等で納期が遅れたり注文をお断りしたりすることがある。
  • 下職の高齢化でハンドメイドラインを縮小せざるを得なくなった。
  • 数軒の下職を抱え、それぞれに仕事を回すために苦労をしている。
  • 逆に、繁忙期だけは下職不足のため、納期遅れが発生してしまう。

当社は、このようなお悩みをもつテーラーさんのお役に立つため、しっかりとした法人化(組織化)を行うことで、お悩みを解決します。

 ■ 時代は良い物を求めています ■

バブル崩壊以降の長いトンネルを抜けて、近年になってようやく景気にも明るい兆しが見えてきました。ファッション業界においては、クールビズや厳冬でメンズファッションが久しぶりに注目されています。また、銀座の高級ブランドや六本木ヒルズなど、消費者にも良い物を買える余力が生まれています。

一方で、長い景気低迷により消費者の目が鍛えられたこともあり、良い物しか売れなくなっているという事実があります。つまり、オーダーメイドといっても今は中途半端な物は売れません。高くても値段に見合った商品であれば、消費者は買い求める時代になりつつあります。

 

当社は、イージーオーダーやパターンオーダーを否定しているわけではありません。

しかし、主にイージーオーダーを手掛けているテーラーさんでも、それでは満足しないというお客様はきっといることと思います。

お店の売上の大部分がイージーオーダーだとしても、フルオーダーのラインナップを持つことで、顧客の期待や安心度が高まります。

最近では大手スーツ販売店のAOKIやコナカなどでも盛んにオーダースーツを取り扱うようになりました。

そのような場面で、当社がきっとお役に立つことができると確信しております。

■ 低価格路線ではダメなのではないでしょうか? ■

バブル崩壊後の不景気とこれに伴うデフレにより、消費者の嗜好は高価なフルオーダーから安価なイージーオーダーへと変化しました。

さらに、既製服や2プライスショップなど、低価格志向が進み、これに対抗するためにオーダースーツ業界でも質と価格の両方を下げざるを得なくなりました。

 

その結果、本来のオーダースーツから離れた名ばかりのオーダースーツが消費者のオーダー離れを加速させ、テーラーにおいては粗利の低下による事業意欲の低下(販売価格29,800円で29,800円以上の利益は出ません!)が起こりました。

 

ようやく景気回復の兆しが見え始めた昨今、高額商品が売れるようになってきました。

けれど、長引く不況を経験した消費者の目は甘くはありません。

生き残るためには、本当に良い物を提供することが欠かせないのです。

 

当社では、三越様をはじめ、有名百貨店のオーダーサロン様からのご注文も頂いております。

これは、いつの時代も品質を下げることのなかった当社に対するありがたいご評価と受け止めております。